すこし疲れた顔をしているが、軽い。
入院中はぼくはほとんど不在だった。
いままでいったことを聞いたことがなかった
「すべては意味があるのでしょう」と母はいった。
重症患者の隣の病室にいたこと、同じ病室の患者さんの
体験を聞いたこと、そしてぼくが不在の間、父と妹だけが
家にいたこと。
10年近く前に家族全員がそれぞれ退行催眠を受けた。
そのとき父は病弱だった妹をうまれたときからほとんど
かまっていないことを妹とと母に申し訳ないと思ったそうだ。
そのことは彼のなかでとても引っかかっていたのだと。
ぼくの不在中に彼はそれをわびる機会をうかがっていた
のだが、なかなかきっかけがつかめなかったそうだ。
でもそれをすることができて、とても晴れやかになっていると
母がいった。
柔らかな天気。
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